英会話を継続するため重要な、進歩を感じられる仕組みとは?

英会話を継続するため重要な、進歩を感じられる仕組みとは?

英会話を学習していると、自分が話せるようになっているのか、ちゃんと進歩できているのか不安になることがあります。特に、普段お忙しい方ほど時間対効果を気にすることが多いので、不安が募ると「伸びていないなら他のことを優先させよう」と考えて学習を止めてしまいかねません。継続が何よりも大事な語学学習において、これは大きな痛手です。

ここでは、そんな事態を避けるために、どういう方法で学習すれば進歩を感じられるかについてご紹介します。

自分の発話を録音する

はじめにご紹介するのは、「自分が話しているのを録音する」というものです。自分の会話をスマホやICレコーダー、あるいは英会話プログラム内の機能を使って録音しておくことで、自分の現状を知って改善につなげます。つまり、英語を話している自分が話し相手や周りの人から見てどういう感じなのかを客観的に把握できるので、気づきをもとに練習を重ねることで自信を持って発話できるようになります。

この方法の前提となっているのは、「自分の発話は自分では認識しづらい」という、当たり前のようで見落としがちな事実です。日本語でも、今自分が早口なのかゆったり喋っているのか、きちんと順を追って話せているかなどを、話している本人がその場で認識するのは至難の業です。内容を伝えようと一生懸命喋っている時、ましてそれが母国語でないなら、そうした発話の「質」の面にまで自分で意識を向けることなどまずできません。

英会話も例外ではなく、そのため多くの方が話しっぱなし・言いっぱなしになってしまっています。その場で文法ミスを指摘してもらえたり、発話のアドバイスを貰えたりしているならまだ良いほうです。自分の発話がどうなっているかを直接聞く機会も持てず、なんとなくの感覚で回数を重ねているんですね。これは非常にもったいないことです。

最も効果的なのは、その日話した内容を録音しておき、すぐに自分で聞いてみて意味が通じているか、言いたいことを言えているかなどをチェックすることです。何を言いたかったかをまだ覚えているので、伝えるためにどういう表現を使えばよかったのかを考えることもでき、非常に質の高い改善ができます。

ただ、自分の今の声を自分で聞くこと自体に抵抗がある方もいらっしゃると思います。その場合は録音だけはしておいて、少し時間が経ってから聞いてみると良いでしょう。たとえネガティブなことでも、過去のこととしてであれば今のことよりも受け容れやすいはずです。

ともあれ、大事なのは「記録」という行為を通じて現状を可視化することです。これまで自分がどういう発話をしていたか聞いたことが無い方は、ぜひ一度録音して聞いてみてください。なんとなくのイメージで捉えていた自分の会話が相手にはこう聞こえていたのか、と新鮮な驚きがあると思います。

そして、大抵の場合は「下手だなあ…」と落ち込んでしまうかもしれません。ですが、それこそが発話改善の第一歩であり、「(今は違うけど)ああいう感じで話してみたい!」という理想のイメージを持つきっかけになります。ここでは深く言及しませんが、こうしたロールモデルを持つことも、英語発話を上達させるためにはすごく大事です。

テーマを1つ決めて定点観測する

英会話が学習しづらい原因の1つに「対象範囲が広すぎる」というのがあります。一口に英会話といっても、海外旅行、他の英語話者との交流、留学先でのディベート、ビジネス英会話など多岐にわたります。同じビジネス英会話の中でも、自己紹介や自社の紹介、提案や交渉・説得など、業種の違いも含めればシチュエーションは無限にあります。英語を話せるようになりたいと強く思えば思うほど、この圧倒的なパターンの多さを前にやる気を失ってしまいがちです。

そうなる前にぜひ行なっていただきたいのが「1分間即興スピーチ」です。ある1つのテーマを自分で決めておき、その内容について1分間自由に話すのを定期的に行います(独り言でもOK)。

例えば、海外出張が多い方で毎回のように初対面の人に自己紹介(会社含む)をしている方は、自己紹介をテーマにして最低でも月に1回程度、定期的に英語でスピーチしてみます。自己紹介だと何を言うかはある程度決まっているかもしれませんが、それでも相手や場所によって引き合いに出す内容や締め方は微妙に異なるはずです。月に1回だと、決まった内容を話すにも丸暗記だけで覚えていられる時間ではありませんので、きちんと理解して話せているかどうかをテストすることができます。

もちろんこの時、前項で申し上げたように、録音しておくと具体的に定点観測できます。前回使ったあの表現良かったのに忘れていたな、などと自分の発話を客観的に見ることができますので、ぜひ何らかの形で記録しておくことをお勧めします。

このように、対象範囲を絞ることで英語はグッと学習しやすくなります。日本では、学生時代のクセなのか、どうしても数多くの単語や表現に触れないと勉強した気がしないという方が多いのですが、ほとんどの学習者には「反復」が足りていません。同じ内容に繰り返し触れることで、意識的に発していた言葉を無意識化できる。こうした反復の感覚を身につけていただくためにも、定期的に同じテーマで喋ってみましょう。意外に毎回いろんな発見がありますよ!

テストを活用する

これまで触れてきたように、英会話は内容が多岐にわたる上に、何をどのくらい憶えて使いこなせるようになれば上達しているのかなどの具体的な指標がほとんどありません。とはいえ、数は少ないのですが日本でも受験できるスピーキングテストはちゃんとあり、これらを定期的に受けることで進歩を可視化することが可能です。

ただ、この際にご留意いただきたいのは、こうしたスピーキングテストは各々のシチュエーションが限定的だということです。例えば、TOEICのSpeaking&WritingテストやVersantはビジネスでの発信力を試していますし、TOEFLは留学等を想定したアカデミックな内容がテーマです。IELTSは移住要件に指定している国もあり比較的バランスが取れていると言われていますが、それでも形式とパート毎に問われる内容はだいたい決まっています。

前項の冒頭で申し上げたように、英会話は対象範囲が広すぎるため、テストしようと思うとどうしてもシチュエーションの幅を限定せざるを得ません。こうした特色を知らずに受けると、自分が接したことも無い内容だらけでやる気を失いかねないので危険です。ご自身の目的に合ったテストを選びましょう。

そういう意味では、もっと細かくテストできるならそれに越したことはありません。例えば、英会話のプログラムに単元ごとの小テストがあれば、役に立つ表現をきちんと自分のモノにしているかを逐一確認することができます。

なお、これらのテストを活用するメリットはもう1つあって、問題形式がいつも決まっているために、それに対応する返答(つまりこちらの解答)の型もある程度決まっているということです。最初に自分の意見を言い、次にその理由を述べる…といった類の話ですね。テスト対策本にはその決まった型がだいたい載っているため、こうした「英語の論理構成」を身につける絶好の機会です。特に、英語の説得のロジックは日本語よりもはるかに発達していますので、上級のビジネス英語を身につけたい方はぜひトライしてみましょう。英語話者の思考回路に寄り添えるため、誇張なしで提案等が格段に通りやすくなります。
 
 

英会話学習は進歩が見えにくいからこそ、このような工夫をするかしないかで成果に大きな差が出ます。自分が進歩しているのを感じるとよりやる気が出ますよね。継続して学習するためにも、ぜひご自身の学習に採り入れてみてください。
 

 

この記事を書いた人
株式会社インターナル・ドライブ 英語学習コーチ
英語コーチングが普及する初期より活動し、3ヶ月間でTOEIC200〜300点UPを多数輩出するコーチングスクール

    監修:同社代表取締役 船橋 由紀子

  • 11年間で約5000名の英語指導に従事
  • アドラー心理学やNLPも駆使した英語指導で、短期間でのTOEICスコアアップ、英会話力アップする方を次々と輩出
  • 監修の船橋の著書「英会話は筋トレ。」は3万部を突破
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HanasoBizスタッフ編集