英会話力アップの重要ポイント 英単語を覚える2つのコツ

英会話力アップの重要ポイント 英単語を覚える2つのコツ

語学は「単語に始まり単語に終わる」と言われています。英語も例外ではなく、やはりそれなりにたくさんの単語を憶える必要があるのですが、特に英会話の場合は特有のコツがあります。以下、具体的な憶え方とともに、2つの視点で単語をどう攻略したらよいかをご紹介します。

単語のイメージを掴む

 
「あー、アレ、英語で何て言うんだっけ…」
 
英会話をしていると、英単語が出てこなくて会話に詰まってしまい、悔しい思いをしたことがある方がほとんどなのではないかと思います。
そうなってしまう主な原因は、読む・聞く・話す・書くという4技能のうち、話すことは最も素早く反応しなければいけないにもかかわらず、それに対応した憶え方をしていないことにあります。

例えば、「この案は上司の承認待ちです」と言いたい時、approveという単語がすぐに出てこなかったとします。ところが「承認する」という意味の単語は、approveの他にもrecognize、authorize、confirmなど複数あり、それぞれ使う場面が違います。日本語訳だけで「承認する」とだけ憶えようとすると、いざ自分で発話する時にどの単語を選択したらよいかが分からず、詰まる原因になってしまいます。

ではどのように憶えるのが良いのか。
 
それは、日本語訳の先にある「イメージ」を意識して掴むことです。
 
単語の意味を思い出すときに、そのきっかけになるものを「トリガー(引きがね)」と呼びます。リスニングの時のトリガーは音声であり、リーディングの時のトリガーは文字です。では、会話などのスピーキングのトリガーは何かというと、話者の頭に浮かんでいるイメージです。会話はほとんどの場合何も見ないで話しているので、その時に視界に入っている風景や頭の中のイメージがきっかけで英語に結びつかないと発話できません。

つまり、単語を憶える時に日本語訳だけで済ませていると、これらのイメージを浮かべている時に単語にダイレクトに結びつかないので、知っている単語のはずなのにすぐに出てこないという現象が起きてしまうわけです。よって、スピーキングでも使える単語を身につけたいならば、日本語訳だけでなくその単語が持つイメージやよく使われる場面を思い描けるまで、例文や用例を調べて読んでみましょう。

先ほどのapproveだと、例文を探すとThis product is approved by many dentists.(この製品は多くの歯科医に認められています)や、I don’t approve of his behavior.(彼の態度は良いとは思えません)などが出てきます。「prove(証明)」という綴りが含まれていることからも分かるとおり、「良いところを探し出して認める」というのがapproveの根っこのイメージです。

authorizeのように「権限のある人が認可を下ろす」というよりも、良いところまで汲み取って認めてくれている感じがする単語です。ここまで理解していれば発話する際に迷うことも無くなるでしょう。
 
日本語と英語は、共通点の少ない「遠い」言語です。この遠さを乗り越えるには、訳語を超えて英語話者と同じイメージを共有するように意識しないと、なかなか同じ速度でコミュニケーションが取れるようにはなりません。はじめは手間に感じますが、イメージで単語を捉えると後々楽になりますし、何より意味を忘れにくくなります。ここはぜひ慣れていただきたいところです。

品詞別に憶え方を変える

ひと口に単語を憶えるといっても、会話で瞬時に出てきて正しく使えるようにするには、それぞれの働きを意識しながら憶える必要があります。ここでは内容語(名詞・形容詞・副詞・動詞)に的を絞り、それぞれどのように憶えたらよいかをご紹介します。

    名詞:日本語訳をそのまま憶える

    前項で「日本語訳に頼らない」という主旨のことを申し上げたばかりで恐縮なのですが、名詞は事物を指す品詞なので、日本語のイメージと英語のイメージが滅多にズレません。そのため日本語で既に出来上がっているイメージがそのまま使えます。例えば、メロンとmelonは両方ともお馴染みのあのメロンを指しますし、脚本家とplaywrightは同じ職業の方を指します。地名や人名などの固有名詞は言うまでもなく同じですね。これらは、日本語のイメージを借りて紐づけてしまえば憶えられます。名詞は日本語をフル活用しましょう。
     
    形容詞/副詞:コロケーションを把握してフレーズで憶える

    コロケーション(collocation)は「連語」のことで、単語と単語で相性の良い組み合わせのことを指します。例えば、日本語でも「超オススメ」はよく使われても「高くオススメ」とはまず言いませんが、これと同じことが英語にも存在します。highly recommendは頻繁に見かけますが、extremely recommendはまず聞きません。

    このように、形容詞と副詞は基本的に修飾語なので相性の良い被修飾語とのコロケーションがあり、しかも上記のように日本語訳どうしの組み合わせと一致するとは限りません。したがって、相性の良い組み合わせごとフレーズで憶えてしまうと、変な組み合わせにもなりませんしスムーズに発話できるので一石二鳥です。

    なお、憶えるフレーズは必ず辞書等で調べて、実際に広く使われている組み合わせを探しましょう。untiringという形容詞でしたらan untiring effort(たゆまぬ努力)などで憶えるのが、意味も思い出しやすくて実用的です。
     
    動詞:文型を把握して例文を自分で作る

    動詞は日本語訳だけで憶えてもまず使いこなせません。というのも、動詞は目的語や前置詞など様々な語を自身の後ろに従えますが、何を従えてよいかは動詞によって異なるからです。その「従えてよい品詞と並べ方」を類型化したものが『第○文型』と呼ばれる、誰もが一度は触れたことのある文法項目です。英語が語順によって意味が変わってしまう言語である以上、この並べ方を無視して意味の通じる英文を話すことは残念ながらできません。

    ただ、だからといって「この動詞は第○文型」と憶えても実戦では使えません。それよりも、文型を反映した英文を憶え、動詞の後の部分を入れ替えて使いこなせるように練習しましょう。できれば、皆さんご自身の身の回りで起こりそうな内容で英文を自分で作ってしまい、それを憶えるのが使う頻度も高くて有用です。

    例えば、refrainは「控える」という意味の動詞ですが、ここで終わらずに、直後にfromを従える第1文型(自動詞)の動詞だと理解した上で、例文を作って憶えます。

    Please refrain from smoking in this office. Many of us hate it.
    (このオフィスではタバコはご遠慮ください。嫌いな人が多いんです。)

    この英文がスムーズに言えると、ヘビースモーカーが来社した時にそのまま使えるだけでなく、I refrain from talking with others in the library (because it’s so quiet).のように、単語を入れ替えて違う内容を話すこともできます。

    動詞は使い方まで憶えて初めて完結する。

このことをぜひ憶えておきましょう。

 

いかがでしたか?

単語暗記といえば、日本語訳をひたすら憶えて回数をこなすというやり方が主流ですが、それは単語を短時間でたくさん憶えたい時に有効な方法です。英会話は単語数を知っていれば話せるわけではなく、動詞や形容詞のように使い方まで知ってはじめて会話で活かせるものも多いです。常に話す時のことを意識して、上手に憶えていきましょう。

 

 

この記事を書いた人
株式会社インターナル・ドライブ 英語学習コーチ
英語コーチングが普及する初期より活動し、3ヶ月間でTOEIC200〜300点UPを多数輩出するコーチングスクール

    • 監修:同社代表取締役 船橋 由紀子

    • 11年間で約5000名の英語指導に従事
    • アドラー心理学やNLPも駆使した英語指導で、短期間でのTOEICスコアアップ、英会話力アップする方を次々と輩出
    • 監修の船橋の著書「英会話は筋トレ。」は3万部を突破

     

HanasoBizスタッフ編集