フィリピン 3. 生活

1.教育

教育

フィリピンは教育水準の高い国といわれており、識字率も95%以上とアジアではトップクラスで、人々も非常に教育熱心です。

首都・マニラを中心に多くの学校では、授業は日本の国語にあたる“Filipino(フィリピン語)”の科目以外、全て英語で行われます。 数学や理科、社会などの科目を英語で教わるということになります。英語を話せるフィリピン人が多いのは、このように幼い頃から英語を使用している人が多いためです。

教育制度

就学前教育(日本で言う幼稚園や保育園)が3年、初等教育(日本で言う小学校)が6年、中等教育(日本で言う中学校および高校)が4年で、 中等教育終了後は大学や専門学校へ進学したり、就職したりします。なお、2016年には新たな教育制度が導入される予定で、中等教育が2年追加され6年となります。

義務教育は幼稚園1年間および初等教育6年間ですが、中等教育の公立校は無料で授業が受けられます。

また、フィリピンでは6月に新学期が始まり、3月が学年末となります。1年で最も暑い時期となる4月および5月が、日本でいう夏休みです。 そして幼稚園から大学まで、一部を除きほとんどの学校には制服があります。

2.交通

交通

・国内交通

大小7000以上の島からなるフィリピン国内での長距離移動は飛行機がメインとなり、現在フィリピンには80を超える空港があります。また、鉄道が発達していないフィリピンでは、地方を結ぶ主な陸上交通手段はバスとなります。

 

・市内交通

首都・マニラの代表的な交通機関は電車、バス、タクシー、ジプニー、トライシクル、ペディキャブなどです。

高架鉄道(Rapid Transit Systems)

MRTおよびLRTと呼ばれる高架鉄道が走り、合わせて3つの路線がメトロマニラ内を結んでいます。 中でもLRT2号線は日本の政府や企業の協力によって建設され、駅も車両も日本の電車にそっくりです。
慢性的な渋滞が1日中続く首都・マニラでは、時間通りに動ける画期的な交通手段となっています。 女性専用車両があったり、改札前にボディチェックがあったりと、誰もが安心して乗れる交通機関です。
初乗りは路線によって異なりますが、10ペソからです。

国鉄(Philippine National Railways)

メトロマニラを南北に突っ切る国鉄の線路に、近郊列車(Metro Commuter)が走っています。
旧市街の住宅地を抜けるように走るこの路線は、線路ぎりぎりまで民家が軒を連ね、ローカルな風景を楽しむことができます。
現在は、日本で廃車となりJRから譲り受けた車両がそのまま走り、活躍しています。初乗りは10ペソです。

バス(Bus)

エアコン付きの新型バスから、ドアも窓も開けっぱなしで走るボロボロのバスまで、様々な種類のバスが走っています。 渋滞の中を時間をかけて移動することになりますが、ラッシュ時を除けば確実に座って行ける交通手段で、一部の路線は24時間運行されています。
全てのバスには車掌が乗っていて、乗車して着席するとすぐに車掌が料金を回収しにやって来るので、目的地を告げて料金を支払い、チケットをもらいます。
料金はバス会社やエアコンの有無で異なりますが、初乗りは10ペソからです。

ジプニー(Jeepney)

ジプニーはフィリピンを象徴するといっても過言ではない独自の交通機関で、小型貨物自動車を改造した乗合バスです。 昔、米軍の使っていたジープを乗合バスに改造したのが始まりですが、現在はフィリピン国内で製造されています。
バスの通らない細い道まで網の目のように路線があり、一部の路線は24時間運行されています。
手を挙げればどこでも乗ることができ、またドライバーに言えばどこでも好きなところで降ろしてもらえるとても便利な乗り物です。初乗りは8.5ペソです。

トライシクル(Tricycle)・ペディキャブ(Pedicab)

トライシクルはオートバイに屋根付きのサイドカーを取り付けた三輪タクシーのことで、4~6人が同時に乗ることができます。
一方、自転車にサイドカーを付けたものはペディキャブ(またはパジャック)と呼ばれます。主にジプニーが入ってこない住宅街の中の狭い道を走っています。
1年中暑く、また雨季には激しいスコールが降るフィリピンでは、荷物の多い時など家の玄関前まで利用できる便利な乗り物です。なお、料金は交渉制です。

3.通貨

通貨

単位はフィリピン・ペソ(₱)で、フィリピンでは単にペソと呼ばれます。補助通貨はセンタボ(¢)です。

流通している紙幣の券種には₱1000、500、200、100、50、20があり、硬貨には₱10、5、1とおよび¢50、25、10、5、1があります。

また、紙幣は全ての券種が2010年に新しいデザインとなりました。

4.服装

服装

一部の地域を除き、1年を通じて暑いフィリピンでは下はジーンズ、上はTシャツやポロシャツ、襟シャツを着る人が多いです。

ショッピングモールにはフィリピンのローカルブランドからファストファッション、そして高級ブティックに至るまで様々なお店があり、皆それぞれファッションを楽しんでいます。 2012年には日本の「ユニクロ」が上陸し、大変な人気を得ています。

また、商店やレストラン、銀行、交通機関などの中は寒いぐらいエアコンが効いているので、カーディガンやパーカーなど上に羽織るものを持ち歩く人が多いです。

5.治安

治安

日本に比べると決して良いとは言えませんが、大型商業施設から銀行、駅、コンビニ、ファーストフード店、カフェ、役所に至るまで様々な施設の入り口には必ず警備員が銃を持ち、配備されています。

そして、施設内に入る際にはボディチェックや荷物検査が行われます。

6.通信事情

通信事情

・携帯電話

携帯電話所有者数は人口の90%を超え、街の至るところで携帯電話を手に通話やメールを楽しむ人が見受けられます。

また、最近はスマートフォンを持つ人が急激に増えています。ちなみにフィリピンはSMS(ショートメール)の送信数が1日約13億件以上とも言われ、世界で最もSMSの利用が盛んな国で“Texting capital of the world(世界のSMSの中心地)”と言われるほどです。 “Text me!(メールちょうだい!)”や “I’ll text you!(メールするね!)”は友人や恋人同士の会話で挨拶代わりに使われています。

なお、フィリピンの携帯電話はほとんどがプリペイド式です。

 

・インターネット

首都・マニラを中心にインターネットインフラは現在急速に発展しています。

インターネットカフェは街の至るところにあり、大型のショッピングモールやファーストフード店、カフェなどでは無料のWi-Fi電波を利用することができます。

カフェやファーストフード店でモバイル端末を片手にお茶をする人も今や日常の光景となっています。

7.娯楽

娯楽

年齢を問わず人気の娯楽は映画やテレビ、カラオケ、ビリヤードなどです。

日本と同じように、ショッピングモールにはシネマコンプレックス(複合映画館)が入っていて、週末ともなるとチケット売り場には長蛇の列ができます。

また、上映が終わった映画のDVDは安価で購入することができ、家のテレビやパソコンで楽しむ人も数多くいます。

そして、ABS-CBNやGMAなどの大手テレビ局で放送される視聴者参加型のバラエティ番組やフィリピンのドラマはもちろん、台湾や韓国ドラマも大変な人気です。

また、国民的なスポーツであるボクシングやバスケットボールの試合中継ともなると、皆テレビにかじりついて観戦します。